601 本当にあった怖い名無し :04/08/11 22:21 ID:Kr9I/+f6

北海道のとある川の深い淵には、巨大な主(アメマス)がいるという言い伝えがあった。
それを確かめると言い張った村の若者がロープを体に結わえ、友人託し潜っていったそうだ。

ロープは、深みにするすると消えていった。だがすぐに手応えが消えた、ロープを引いたがどこかに引っかかったようだ。
まずい、おぼれた?友人はロープを頼りに潜っていくと深みの中位におぼれて浮いている彼がいた。
中程の流木に絡んだロープをほどき、ロープごと彼をたぐりつつ水面に出ようとしたとき、
ふと水底を見ると暗い淵の底でお椀くらいの魚の目玉が光っていた。

あわてて、川岸にはい上がりロープを力任せにたぐり何とか彼を川岸まで引き上げた。
おぼれた人は、息を吹きかえしたが「目玉、目玉」錯乱したまま、結局おかしくなってしまったということだ。

これは、釣りの本に載っていた戦前の話だが、戦後、米軍が進駐して北海道の河川でルアーで釣りを始めると
1メートルを超えるアメマスが沢山釣れたという(写真付き)。まんざらホラ話でもなさそう。







610 本当にあった怖い名無し :04/08/12 11:50 ID:/zNH77OT

田舎育ちの友達が小学生の時の不思議な話を教えてくれた。

夏に山で遊んでるうちに迷った上、すごい雷雨になってしまった。
泣きながら耳ふさいで歩き回ってたら
(動いたほうが雷落ちないと思ってたらしい)少し広い場所に出た。
幾つか切り株があって、切った木をまとめてあったりして、
誰かここで仕事してたのかな、と思ったと同時に光と雷。
近い!と思ってまた耳をふさいで歩き出そうとしたら、
毛が生えたでっかい何かに両腕を掴まれて何mか、どかされた。
その途端に森の中を雷が走った。
自分が居た場所を通って横にビャーッと光が走り抜けてった。
呆然としてると、毛が生えた何かが頭をグシャグシャ撫で回して
「雷怖いな、あと少ししたら帰れ、座って休んでいっていいから」
という意味のことを言った。
ハッとして見上げたら、誰もいなかった。

雨はすぐに弱くなり、友達は切り株で少し休んでから帰った。
感じとしては熊みたいな大きさで、どかされた時はひょい、と宙に浮いたんだと。
高校生になって、となりのトトロを見たときは、アレだ!と思ったそう。
話しかけてくれたのは、日本語だったかどうか、声はどんなだったか、どうしても思い出せないって。



649 本当にあった怖い名無し :04/08/15 16:24 ID:o/7ZSKOW

日頃から楽しませてもらっているので、帰省ついでにおいらもひとつ。
地元の新聞からの抜粋。
あんまり怖くない。もーしゃけねー。


 平野惣吉さん(明治33年生まれ)が、山にバンドリ(ムササビ)狩り

に入った晩のこと、一匹捕って山の斜面で休んでいると、向こう側の斜面

で誰か二人がしゃべりながら奥へ入っていく。バンドリの狩りは夜だから

相手の姿は見えない。声は聞こえたが話している内容はわからなかった。

 
 平野さんは「こんげの所へ、俺ばかりじゃなく誰かも来たわい」と思って

いた。あんまり人の入らない沢だったので、気持ちが悪いと思っていたと

ころへ人の声がしたので、ほっとしていた。

 奥には滝つぼがあって、針葉樹林になっており、さっきの二人は行き進むうちに、
どうしても平野さんのところへ出て来なければならない地形になっていた。
ところがいくら待っても二人は出て来ない。にも拘わらず喋り声は聞こえてくる。
その時初めて平野さんは「これは人間じゃないな」と直感したという。

気味が悪くなったので、バーンと一発鉄砲をぶっぱなしたら、それまで聞こえていた
「ウンガ、ウンガ、ウンガ」というような話し声が、ピタッとやんだ。


655 本当にあった怖い名無し :04/08/16 20:00 ID:DEFSeb4I

先日、ひさしぶりに専門学校時代の友達と会えたので飲んでたら
佐賀で林業を継いでるやつがいたのでなんか話がないか聴いてみた
自身では体験したことないらしいが、そいつの父親と祖父は
自分の持ってる林の中で首吊り死体を見つけて、すぐに枝から降ろしたらしいんだけど
それから悪いことが起きまくったから、その首吊ってた枝を切り落としたら
悪いことがぱたりと止んだらしい

これはそんなに怖い話じゃないから
今度はそいつに、父親や祖父からもっといろいろ話を仕入れてもらうように頼んどいた


656 苑蜩 :04/08/16 21:45 ID:QBgZ5zEU

ここを読んでいて、怖くないのですが、思い出したことがあります。
長文かつ駄文かと思われますが、興味のある方だけ読んでいただけたら幸いと思います。
 
小学5年の頃、箱根の御玉が池から箱根湯元まで旧鎌倉街道を、
遠足で歩いたことがありました。
そのとき金時山の山頂近くでお弁当を食べたのを、そのとき見ていた
光景ごと思い出せます。
前日、お弁当の材料を買いに出かけた母が事故に遭い、膝の皿を支える腱が
少し切れてしまい、しばらく歩けない状態になっていたせいもあるでしょう。
夜勤を終えた父が眠いながらも母の代わりに作ってくれたお弁当でもありました。
 
すごくお腹が空いていたけど、いろんな想いが胸に詰まって、母に頼んだ
おかずだけ食べられずに、大事にアルミホイルに包んで、父母の温もりを
慈しむようにしまい込みました。
 
・・・私のわがままのために母は怪我をしたのに
「○○のせいじゃないおかぁさんが注意していなかったからこうなったの」と
私をかばってくれた。
・・・父は指を切りそうになりながら料理をし、気丈に振舞う母の演技に付き合って
にこやかに送り出してくれた・・・。


657 苑蜩 :04/08/16 21:47 ID:QBgZ5zEU

山を降りる途中、先ほどの晴天とは打って変わって、突然雨が降りはじめました。
たいした雨ではなかった記憶があるのですが、都会で育った子供たちには、
雨で湿った道はとてつもなく難儀する道になりました。
 
滑って転ぶ子が続出し泥まみれの集団が誕生しました。
私は泥の道を歩くのにも慣れていたし、人の歩いていない滑りにくい場所を
少しづつコースをずれながら歩いていたのでなんともありませんでした。
 
しかしながら泥道のせいで予想以上に時間がかかってしまい、夕暮れがせまり、
またあたりは山の影に入っているらしく曇天と重なり、とても暗くなってきていました。
 


658 苑蜩 :04/08/16 21:50 ID:QBgZ5zEU

この遠足は私にとって、学校のみんなと行く初めての遠足でした。
数ヶ月前に転校してきたばかりだったのです。
友達らしい友達もいなかったので、一人コースを外れて歩いても
誰も気に留める人もいなかったし、そんな余裕のある先生はいなかったのでしょう。
 
ふと気づくと自分と同じように遠足の群れから外れて、先を急ぐ
自分のクラスではない生徒数人が後ろから近づいてくるのを見つけました。
雨合羽を着た彼らは、妙に思えるほど、楽しげに、走るように、私を追い越していきました。
私も負けず嫌いだったし、雨に濡れるのもいやだったのと、父母の元に早く帰りたい一身で
彼らに付いて旧鎌倉街道の小道を駆け下りていきました。
 
彼らが先に行くのを他のクラスの先生が許したのだろうと、自分の中で勝手に判断しながら・・・。
 
何人か私の後ろに付いてこようとするが、走り出して妙に気が昂ぶってる私は
一緒に笑いながら前の子供たちと同じように速度を上げて振り切りました。


659 苑蜩 :04/08/16 21:52 ID:QBgZ5zEU

枯葉の間にところどころ覗く小さな石を並べた滑りやすい石畳の上を
ひたすら走り続けていました。
 
しばらくすると暗がりの小道を走っているのは自分だけになっていたのです。
一人になったと思ったら湯元の駅の近くの鉄橋が眼下に唐突に現れたました。
 
誰より先に着いた私は待ち合わせのバスのところまで一人で行き、待っていたのですが、
20分ほどして担任のN先生が一人あわてるように駆け込んできました。
 
そこからどんな風に叱られたのかは覚えていません。
「あなたが突然見えなくなったと思ってさがしていたら、先の坂を一人で走って降りていくのが見えて、
先生必死で追いかけてきたのよ」そう言っていたような気がします。
 
一緒に走っていたほかの生徒たちはうまくやったのだろうかとか考えながら
上の空で聞いていたのを覚えています。


660 苑蜩 :04/08/16 21:54 ID:QBgZ5zEU

帰宅すると父と母が待っていました、父は母の看病のため休んだそうです。
父はリュックを片付けながら弁当箱を洗おうと蓋を開け、おかずが残っているのを見つけ、
さびしそうに「おいしくなかったのか」と聞きました。
 
私は今日起こったこと、考えていたこと、いろんな想い、たくさんの言葉で表せない感情を、抑えきれずに泣きそうになりました。
 
そのとき寝ていた母が「おとうさん、それはそれでいいのよ、この子は私の子供だから」とやさしく慰めてくれました。
父はよくわからなかった様ですが、私がお弁当に不満があって
残したんではないと安心したらしく、丁寧に包まれたそれをゴミ箱に捨てました。
 
その夏は様々な出来事があったのでこの出来事が記憶に埋もれていました。


661 苑蜩 :04/08/16 21:57 ID:QBgZ5zEU

今日ここの話を読み、この日の母の言葉の意味に二重の意味があることに気づきました。
父は5代遡っても江戸っ子ですが、母は山育ちでおじいさんに連れられ山の話を
よく聞いていたのです。
 
ご飯を残さなければいけないことも多分知っていたでしょう。
鎌や蛇の話、振り返ってはいけない者の話も母から聞いたことがあります。
リュックのジッパーの留め金につけられていた、ナイフを象ったキーホルダーも
母がつけたものだったのでしょう。
 
そして、思い起こせば、あの街に十数年暮らすことになったのですが、あの日追い越していった
雨合羽の生徒たちに、私はあれ以来、会った事が無いのです。


667 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/08/17 00:36 ID:xes23ovJ

知り合いの話。

まだ学生だった頃、彼女の村では火事が相次いで起こったという。
放火と思われたが、山間の小さな集落ということもあり、そんなことをすれば
すぐ村の皆にわかる筈だった。
それだのに、犯人の見当もつかない。
住人は戦々恐々としていたらしい。

ある夕暮れ、彼女はお使いを謂い付けられて家を出た。
近くの店で豆腐と味噌を買ってから家路に着く。
近道をしようと、近所の畑に踏み入った。

その時、視界の外れに、誰かが立っているのが見えた。
畑の端に大きな柿の木があって、その根元にひょろりとした影一つ。
見知っていたお婆さんだ。白い着物を着ていた。
どこかに違和感を感じ、すぐにその理由に思い至る。
その老婆は、前年の暮れに亡くなっていた。



668 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/08/17 00:38 ID:xes23ovJ

(続き)
動けなくなった彼女の目の前で、老婆はカラカラと笑い始めた。
どこか大事な物が切れてしまったような、そんな笑い方だった。
ただもう恐ろしく、ぺたんと腰を落としてしまったという。
同時に、パチパチという音が聞こえてきた。
慌てて振り向くと、その畑の持ち主の家が燃えていた。

火は初めは小さかったが、すぐに大きく燃え広がった。
それを見た老婆は頭を振りたくり、ますますカラカラと笑い続ける。
まるで老婆の哄笑に合わせるように、火はどんどんと激しくなっていった。

彼女はしばらく呆然としていたらしい。
正気に戻ると、既に火は消し止められてい、家は燃え落ちずに済んだようだ。
老婆はいつの間にか姿を消していた。
消防団員が「大丈夫か」と声をかけてきたが、腰が抜けたようで歩けなかった。



669 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/08/17 00:38 ID:xes23ovJ

(続き)
放火魔を見たということで、彼女は警察の事情聴集を受けた。
信じてくれるかわからなかったが、見たままを話した。
案の定、呆気に取られたような顔で何度もくり返し確認されたそうだ。
意外なことに、何人かの官が「やっぱり」という表情をしていた。

どうやら、放火騒ぎのあった家々とその老婆は、何かの事情で揉めていたらしい。
家に帰ってから家人にそう聞いたのだという。
その詳細までは教えてはくれなかった。

あっこの家のモンは、*だ後の方が恐ろしい。
大人が小声でそう言っていたのを、なぜかよく覚えているのだそうだ。



670 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/08/17 00:42 ID:xes23ovJ

友人の話。

彼はまだ若い身空で、温泉巡りを趣味としている。
独身の特権なのか、思い立つとすぐに荷物をまとめ、単身出かけるのだそうだ。

以前、あまり人が来ない山奥の湯治場に出かけた時のこと。
小さな宿が二つしかないような、寂れた所だったらしい。
一つ目の宿で不幸があったと言って断られ、仕方なくもう一つの宿に向かう。
そこでもなぜか宿泊を渋られたのだが、主人に頼み込み、半ば強引に上がり込んだ。

彼は宿の大きさなど気にはしないが、しかしその宿は少し変わっていた。
どの部屋も雨戸がすべて閉め切られていた。ご丁寧に芯張り棒まで噛ましてある。
彼が雨戸をいじっていると、やって来た仲居さんが奇妙なことを言う。

「今日は窓を開けない方がいいですよぅ」



671 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/08/17 00:42 ID:xes23ovJ

(続き)
尋ねても、理由は教えてくれない。
そうは言われても、晩夏でまだ蒸し暑く、彼は強引に雨戸を全開にして寝たという。

夜半、寝苦しくて目が覚めた。空気がひどく澱んでいて、重い。
扇風機にあたりながらまどろんでいると、おかしな物音が聞こえてきた。
ズルズルと何か引きずるような音が、窓の外から響いている。
呆っと窓の方を見ていると、やがて異様な物が姿を現した。

瓜実形の大きな女性の顔だった。
まるで平安時代の女性絵を連想したと彼は言う。

遠慮の無い様子で、部屋の中を覗き込んできた。
大きすぎて窓から顔の全体が見えず、眉毛から口元までが辛うじて見えた。
大顔は、彼としばらく見つめ合うと、興味を無くしたかのようにぷいっと横を向き、
またズルズルと音を立てながら視界から外れていく。
少ししゃんとした彼は、雨戸をしっかりと閉めてから寝入ったそうだ。
不思議なことに、もう寝苦しさは感じなかった。



672 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/08/17 00:44 ID:xes23ovJ

(続き)
次の日、すべての部屋の雨戸が開け放たれた。
主人や仲居さんに昨夜の物について聞いてみたかったが、教えてくれないだろうなと
いう気がなぜかしたので、尋ねそびれた。
三日ほど滞在したが、顔が出たのはその晩だけだった。

帰り際、主人が頼んでもいない土産物を持たせてくれた。
「あんたは度胸がある」そう言って主人は上機嫌だったという。
でもやはり、詳しいことは何も教えてはもらえなかった。



673 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/08/17 00:46 ID:xes23ovJ

知り合いの話。

仕事でイギリスに出張した際、現地の同僚から変わった話を聞いたという。

その同僚がまだ幼い頃、彼の家では犬を飼っていたそうだ。
実家の山村からもらった白い雑種犬だった。
色々と変わった所のある犬だったらしい。
普通、犬猫の類いは目を見つめるとすぐに視線を逸らす。
好奇心や注意が続かないためらしいが、その犬はじっと見つめ返してきた。
根負けして視線を外すのは、いつも彼の方だったという。

ある日身体の調子が悪く、学校からいつもより早く帰宅した。
門を潜り庭を歩いていると、いつもは彼を迎える犬が出てこない。
どうしたのかな?と思い、犬の名前を呼びながら犬小屋を覗いてみた。

愛犬の姿は見当たらず、小屋の床には何か毛のような物が堆積していた。



674 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/08/17 00:46 ID:xes23ovJ

(続き)
持ち上げてみて、思わず悲鳴を上げる。
それは可愛がっていた犬の毛皮だったのだ。
悪い冗談のように目と口が黒い穴を開けており、微かに温もりが残されていた。

ショックで泣き喚きながら、母屋へと駆け込んだ。
驚きながら迎えてくれた母親に、犬が剥かれちゃったと訴えた。
慌てて外に出ようとする母子に「バウッ!」という吠え声がかけられた。

見ると玄関のすぐ外に、犬が座り込んで尻尾を振りまくっていた。
犬は激しく息を弾ませていた。まるで慌てて駆け戻ってきたかのように。
それを見た母親が、嘘を吐くのもいい加減にしなさいと説教をする。
いくら本当に見たんだ!と言っても、もう相手にされない。
奥に引っ込んだ母親を恨めしく思いながら、彼は犬の前にしゃがんだ。
いつもは目を逸らさない犬が、その時だけはツッと余所を向いた。



675 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/08/17 00:48 ID:xes23ovJ

(続き)
こいつめ、謀りやがって。
腹立ちまぎれに、頭を強くクシャクシャにしてやったという。
犬は機嫌を取るように、その手をペロリと舐めてきた。

「俺が思うに、あいつは時々毛皮を*、何かしていたんだな。
 結局、現場は押さえられなかったけど」

犬は彼が大学に入学する年、フイッと姿を消してそれきりだそうだ。
「あんな犬でも、いなくなると寂しいよ」そう言っていたという。



688 元ライダー 1/3 :04/08/17 11:11 ID:gadZSogD

20代のころバイクにはまってて、休日にツーリングには行ってましたが、それだけでは足りず
横浜での仕事(20:30頃まで)の帰りに、週に1,2回はソロで夜間ツーリングに行ってました。
夜間ツーリングといっても大抵は、三浦半島を半周くらいまわったり、首都高走ってPAで
のんびりしたり、24:00頃には東京の自宅に帰り着くようなミニ・ツーリングです。
翌日仕事休みで気温もちょうどいい感じの夜、ちょっと遠出がしたくなり、東名から箱根に
足を伸ばそうと思いました。御殿場方面から登っていく長尾峠っていう峠道があります。
乙女道路(乙女トンネル)といういい道が有るので、林道を舗装しただけみたいな、いかにも
旧道然とした長尾峠はほとんど裏道で、車線やガードレールも要所要所に少しあるだけです。
登りきった峠の頂上にドライブインは有るものの平日の夜間なぞ閉まっているし、麓から頂上
まで灯火の類は一切無く真っ暗。途中に民家も建物もありません。道幅が狭いので走り屋も
あまり来ません。頂上付近の広い部分で4輪がドリフトの練習をやっているのを見たことが
ある位です。要するに夜間は物好きしか通らないであろう山道です。


689 元ライダー 2/3 :04/08/17 11:13 ID:gadZSogD

23:00頃この道に入ってまもなく、箱根特有の霧が出始めました。登るにつれ霧は濃さを増し
ライトの届く20m位先までしか視界が無くなりました。狭い山道にひどい霧で、引き返す
ことも考えましたが翌日休みという気楽さもあり、20km/hくらいの速度でそのまま走りました。
対向車とすれ違うことも無く、頂上まで3/4くらいまで来たとき、前方に違和感を感じました。
ライトがかろうじて道路や道端の木立を映し出す中、何かが立っているのです。カーブミラーや
標識などではない、明らかに人間の大きさと形をした何か。前に書いたように、民家や建物は
一切有りません。徒歩で人が移動することなど考えられない、深夜の霧の山道です。しかも
「それ」は、道路を外れた藪の中に立っているのです。オカルト体験など一切無い自分でしたが、
ひとつの言葉が頭に浮かびました。
・・・幽霊!?・・・
一瞬Uターンを考えましたが、狭い道で焦ってUターンに失敗してコケた後の状況が頭に浮んだのと、
(今から思うと信じられませんが)見届けたいという欲求も頭をもたげ、ジョギング程度の速度で
「それ」にふらふらと近づいていきました。ヘルメットの中、自分の心臓の鼓動が聞こえてきました。


690 元ライダー 3/3 :04/08/17 11:17 ID:gadZSogD

ついに「それ」がはっきり見える所まで近づきました。その人影は道端の草むらの中で、なにやら
動いているようでした。私は目が離せませんでした。
ちょっと驚いたようにこちらを見た人影は、カーキ色の上下にヘルメットを被り、背のうというのか
リュックのような物を背負った自衛隊員でした。
夜間訓練?ほっとした私は自衛隊も大変だなーと思いながら通り過ぎました。
体験はそこまでで、なーんだというような話ですが、ちょっと後日談があります。
数年後、陸自に在籍して東富士で演習した経験を持つ知り合いにその話をした所、箱根山中で
夜間訓練というのは聞いたことがない、というのです。
「夜間訓練や行軍は有るけど、箱根は一応観光地でしょ。」と。
もちろんそういった訓練を彼が知らなかっただけかもしれませんし、所属の違う部隊では普通に
やっていたのかもしれません。多分そういうことなんでしょう。

しかし後になって思うと、あの霧の中に一瞬見えた軍服とヘルメット姿は自衛隊というより、
旧日本軍のような古めかしい物だったような気もするのです。
   〈 終 〉