699 山んぼ :04/08/17 18:21 ID:PfWHy4oS

祖父から聞いた祖父の叔父にあたる人の話。
(祖父はこの話を自分の父親から聞かされたとのこと)
小さい頃の叔父(祖父のネ)は、山で遊んでるといつのまにか姿をくらませてしまうことがよくあった子であったそう。
村人総出でいくら捜しても見つからないのだが3日位すると
ひょっこり家に帰ってくるという。聞くと楽しそうに
「山のおっちゃん達の所にいた」といたって元気そう。
それは大きくなってからもしょっ中のことで、どんなところで、どういうことをしてきているのか家人が尋ねても「山の人」たちとの約束で言える事と言えない事があるそうで、すべてを語ることはなかったという。
それでも普通の人が聞けば不思議な話ばかりだったという。
どうやって行っているかというとある大木のまわりを「山の人」の後ろについて、一周していると突然「山の人」たちの居住している世界へ入っているとのこと。30歳位の時
「わしは36歳の〇月〇日に死ぬ、でもそれは他の人達の死と違うてお山の親方んとこへ修行に入るんじゃから悲しまんでもエエ」
といい事実その歳のその日に静かに息をひきとったそう。






716 本当にあった怖い名無し :04/08/18 03:40 ID:on/fgQNg

先日我が家でたまたま線香の香りを感じたので母に尋ねた。
「イヤだ焚いてなんかいないのに!お父さんもあんたと同じこと言った」
一瞬肝を冷やしたが、近くの棚にアロマオイルのボトルがいくつか置いてあるんだよね。
特に何も起こっていないし、それが原因だろうということにしておく。

線香の香りがしたのはそのときだけだったんだけどね。

スレ違いなのでsage。


753 本当にあった怖い名無し :04/08/19 14:57 ID:QwBfLdAC

 昭和の初め頃、夕張のボタ山でのお話。
開拓民として本州から渡って来ていた炭鉱夫、Aさんは、爆発事故に見舞われた。
一命はとりとめたものの、全身ヤケドの重体だった。
昔の事とて、ろくな治療も施されず、全身包帯に包まれて女房の待つ飯場の一部屋に担ぎこまれた。
付き添ってきた医者は、大怪我だが、今夜を乗切れば命は助かるだろう、何かあれば呼びに来なさい。
自宅の場所を教えて引き上げていってしまった。
 その真夜中。ロウソク一本の薄明かりの下、枕元でひとり看病していた女房がふと気が付くと、玄関に誰かの気配がする。
女房が出てみると、大勢の人間が立っている。彼等の云うには、
自分達はAさんと一緒に働いている仲間である。今日は大変な災難に会われて、お気の毒です。
すぐにでも見舞いに来たかったのだが、生憎我々も作業を中断するわけにいかず、こんな非常識な時間になってしまった。どうか我々にもAさんの看病の手伝いをさせて欲しい、との事。


754 本当にあった怖い名無し :04/08/19 14:58 ID:QwBfLdAC

女房はひとりで心細かった処への、この温かい申し出に感動し、部屋に入りきれないほどの仲間達を迎え入れた。
それぞれ、一人ずつAさんに話し掛け、励ましては部屋の中に座って、女房にも優しい言葉を掛けてくれる。
女房はすっかり安心してしまった。
その中の一人が、自分は医術の心得がある、診察してやろう、と申し出た。見ればボタ山で働いているとは思えない立派な紳士だった。誰かの知人なのだろうか。
彼は、これは酷いヤケドだが、私は幸いヤケドの治療法に長じている、今夜のうちに術を施せばAさんはすぐ治る、と言った。
女房に否応が言えるはずもない。やがて紳士による治療が薄暗がりの中で始まった。
治療は荒っぽいものだった。
紳士は、ヤケドには、焼けこげた皮膚を取り除いてやるのが一番の治療法だと説明し、Aさんの身体を包んでいる包帯を取り除けると...。やがてAさんの皮膚を無造作に剥ぎ取り始めた。
炭鉱夫仲間でも屈強な身体付きで知られたAさんもこれは堪らない。


755 本当にあった怖い名無し :04/08/19 14:59 ID:QwBfLdAC

Aさんはあまりの苦痛に絶叫し、いっそ殺してくれと、泣き叫んだ。
女房はおろおろする以外、なにも出来ない。あまりの凄まじさに、自分も耳を塞いで泣き叫び始めた。
紳士は、ここが辛抱じゃ、すぐ楽にしてやる、と、声を掛けながら眉ひとつ動かさず作業を続ける。
どれぐらい時間がたったか。
いつしかAさんの絶叫は治まっており、静寂が戻っている。
紳士は女房に、心配かけたがもう大丈夫、すぐに元気になるよ、と声を掛け、席を立った。
女房は何度も何度も頭をさげながら、表まで紳士を見送った。
遠い空がうっすら明るくなっている。もうすぐ夜明けだ。
部屋に戻ると、さっきまで狭い部屋から溢れ出る程大勢いた見舞客がひとりも居なくなっている。
女房は不思議に思うより、不快に感じた。
帰るのだったら、一言くらい挨拶してくれても良いじゃ無いか。
疲れきった女房はAさんの枕元に腰を下ろし少し休もうと思ったが、Aさんの顔色をみて驚愕した。
夜明けの日差しの中で見るAさんの顔色、それはまるでロウのようだった。


756 本当にあった怖い名無し :04/08/19 15:00 ID:QwBfLdAC

女房はAさんに取りすがって再び号泣するしかなかった。
騒ぎを聞きつけた隣人に連れてこられた医者は、Aさんを見るなり女房を怒鳴りつけた。
誰が患者をいじった!
Aさんを包む包帯の巻き方は、明らかに素人のものだった。
包帯を取り除けた医者は,Aさんの身体から目を背けた。無惨に生皮を剥ぎ取られた遺体がそこにあった。
あまりの奇怪な事件に、警察が呼ばれ、半狂乱の女房から何とか事情を聞き出した。
だが、その夜現れた男達も、例の紳士も、ボタ山はおろか近隣の町村にも該当者はいなかったと云う。
話を聞いたある人が、それはキツネの仕業だろう、と言ったそうだ。
キツネにとって、人間の瘡蓋や火傷瘡は霊薬になるとされ、ある地方では火傷や瘡蓋のある者は山にはいるとキツネにだまされるという言い伝えがあると云う。
女房は目の悪い女で、日頃から泣き腫らしたような瞼の持ち主だったという。
キツネはそれに付け込んだのだろうか。
残念ながら、女房がその後どうなったかまでは、この伝奇の採集者は伝えていない。


770 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/08/20 03:04 ID:b+iNe1kt

後輩の話。

秋口に単独で入山していた時のこと。
一泊程度の簡単なルートを予定しており、食料も簡単なものを用意していた。
初日の昼に菓子パンの昼食を摂っていると、後ろから声がかけられた。
見るといつの間に現れたのか、長い黒髪の女性が立っている。
赤いロングコートそしてスカートにブーツと、凡そ山に相応しくない格好をしていた。
菓子パンを持ってポカンとしている彼に、彼女はこう言ってきた。

「ね、賭けをしない?」

詳しく聞いてみると、彼が今手にしている菓子パンを、一口で食べられるかどうか
賭けないかと、その女性は提案していたのだった。
何を賭けるんですかと聞くと「手持ちの食料、全部」と言ってきた。
思わずじっと、自分の持っているパンを見る。
通常よりかなり大きい、お徳用のメロンパンだ。
彼女の整った小さな顔と何回も見比べる。



771 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/08/20 03:05 ID:b+iNe1kt

(続き)
「いくら何でも、一口じゃ無理ですよ」
と相手にしないでいると、いきなりパンがひったくられた。
何をする!と怒りかけた目前で、女性の清楚そうな顔が歪む。
次の瞬間、口が顔の下半分一杯に拡がり、彼女はパンを一口で飲み込んでしまった。
ビニールの袋ごと。

ごくり、という音を彼はぼんやりと聞いた。
白い手が差し出され「勝ったわよ」という言葉が続く。
急に怖くなり、ザックから引っ張り出した食料を、すべてその繊手に押し付ける。
にんまり笑う女性に別れを告げ、一目散にその場を後にする。

差し出した食べ物が食いつくされる前に、とにかく彼女の目の届かない場所へ逃げ出し
たかったのだという。
結局、予定を切り上げて、その日の内に下山したそうだ。



776 本当にあった怖い名無し :04/08/20 08:38 ID:zICHyum7

うん、聞いた事がある。

昔、ある冬に東北の山村で毛皮のために狐の巣穴を燻し、雌狐を狩った猟師がいた。

だが春になって、見知らぬ顔の、目つきの鋭い郵便屋さんが村にふらりと来たかと思うと、
人間とも思えぬ足の速さで、その猟師の家へと入っていったという。

ほどなくして猟師の家から聞こえる悲鳴。村人が猟師の家に入ってみると、
猟師は何者かに刺し殺されていた。「狐に仇討ちされたんだべな」とは村人の話である。


778 コダマネズミのはなし 1/3 :04/08/20 11:39 ID:7VHMw1y5

皆さん。
皆さんはコダマネズミを御存知ですか。
猟師が獲物を求め山を歩いていると、ぽん、と何かが破裂する音が聞こえる事があるそうです。
それは、コダマネズミがはじけた音。
近寄って見てみると、そこには、背中が裂けて内蔵を飛び散らかしたネズミの死骸があるそうです。
この音を聞いた猟師は、
 そっちはこだまのるいか。
 こっちはしげのるい。
 ぶんぶきままにくうらす。
 なむあびらうんけんそわか。
と3回唱えなければ、猟を続けても獲物は捕れず、なにか障りが起きるとさえ言われています。
何故、数ある獣のなかで、コダマネズミだけがこんな無惨な死に方をするのか。
こんな言い伝えがあるそうです。


779 コダマネズミのはなし 2/3 :04/08/20 11:40 ID:7VHMw1y5

むかし、むかし。今の秋田県あたりの山中にふた組の猟師の組が入っておりました。
一方はこだま衆。
一方はしげ衆。
彼等は集団ごとに山に入り、協力しあって猪や熊、羚羊などの狩を生業としていました。
季節はもう冬。
冬の事とて獲物は少なく、気落ちしたこだま衆が狩り場を変えようと移動している道すがら。
山道に、大きなお腹を抱えた、若く美しい女が蹲っております。
「薪拾いに山に入りましたが、生憎降りる前に産気付いてしまいました。
お願いです。貴方達の小屋で子供を生ませていただけませんでしょうか?」

猟師にとって山は神聖なものです。女は山に入れない、とされておりました。
まして、お産は、死者のケガレ、(女の)月のケガレと共に、最大のケガレとされております。
(皆さん御存知のように、神社は今でもそうですね)
しげ衆の頭領は憎々しげにこう吐き捨てました。
「女、何処なりと行ってしまえ。ちっ、縁起が悪い、もう今日の狩りは終わりだ!」
女は追い立てられ、悔しそうにこだま衆を睨みながら立ち去った。



780 コダマネズミのはなし 3/3 :04/08/20 11:41 ID:7VHMw1y5

猟を終えたしげ衆たちが山小屋で粗末な食事を取っていると、
先程の女が助けを求めてきました。
しげ衆にとっても、妊婦など歓迎しかねる存在には違いありません。
しかし、あまりに苦しそうで哀れな様子に、しげ衆は、招きいれ介抱してやることにしました。
その明け方、女はなんと12人もの赤ん坊を産んだそうです。
驚くしげ衆に、女は厚く礼をのべ、続けてこう言ったそうです。
私は山神です。今日の御礼に、貴方達には山の幸を授けましょう。
明日、狩りをすれば、何でもお好みの獲物が得られるはずです。
...それにしても、憎いのはこだま衆。貴方達、猟の帰り、こだまの小屋に立ち寄ってみるがよい。
私の怒りが並み大抵のものでは無いことが判るでしょう...。

言われた通り、その日の狩りは、当分遊んで暮らせる程の大猟でした。
そして、帰りにこだま衆の小屋によってみると...小屋には誰もいませんでした。
しかし、小屋の片隅に...もう、皆さん判りますよね。